京ことばで綴る洗心のひととき

過去に千眞工藝が発行したメールマガジンどす。
だいぶぎょうさんになってきたけど、せんぐり読んでおくれやす。

  • 2001年11月2日掲載

    旅の便り

    秋は旅の季節。いろんなとこへ旅したいもんどすな。
    旅の途中、ぎょうさん(たくさん)ええとこがあって、景色や出来事などを家族のもんや友達にその楽しい気持ちを はよ知らせとうて、便りを出さはったこともありますやろ?

    そんな手紙を書く時にただ文章だけやのうて、絵があると、もらう人もやっぱり嬉しおす。その人の見たこと、感じたことが絵に表れるさかいにもらう人の心に響いてくるのと違いますやろか?ボールペンで走り書きしたスケッチにも少しでも彩色があるとそれもええもんやおへんか・・・
    どう思わはります?

    せえだい(精だして)、いろんな所からお便りを出しておくれやす。

  • 2001年10月7日掲載

    もみじ

    京都の紅葉と言えば「もみじ」
    「紅葉」「黄葉」共にもみじ。上代は黄葉と書きモミチ、平安以後は紅葉と書きモミヂと読む例が多いんどす。
    紅葉(こうよう)は、秋に葉が紅色に変ること。カエデ等。
    黄葉(こうよう)は、秋に葉が黄色に変ること。イチョウ等。

    もみじには他の意味もありますえ。
    (1)カエデの別称(2)もみじ葉の略(3)かさね(襟)の色目(4)鹿の肉(5)麦のふすま(6)茶を濃く味よく、点てること。(濃うよう) 

    変ったところでは、(7)仲人(なこうど)。これは、紅葉良媒(こうようりょうばい)というて、中国唐の時代、うゆうというお人が御溝(ぎょこう)で一枚の詩を書いた紅葉を拾わはった。
    そこで、うゆうは別の紅葉に詩を書いて川に流し、宮女、韓夫人(かんふじん)がそれを拾い、間をとりもったのが縁となって、結婚しゃはったという故事によるものとか。

    因みに、もみじは「紅葉」のほかに「楓」とも書きますえ。
    今年もきれいな紅葉を見に来ておくれやす。

  • 2001年9月3日掲載

    孫の手

    皆さんのおうちにはありますか?―――「孫の手」
    お年寄りのいはるご家庭には必ずといっていいほど孫の手がありますやろ?なんで孫の手と呼ぶかしっといやすか?

    痒い背中に手が届く仙女の手。
    この道具は中国から渡ってきたもんで、「麻姑(まこ)の手」と呼ばれていたんどすえ。
    麻姑とは、中国の伝説上の仙女で爪をとても長く伸ばしていたといい、その爪で痒い背中を掻いてもらうと、えもいわれぬ気持ちよかったんやて。

    マコノテからマゴノテへ
    輸入された当初はマコノテと呼んでたんが言いにくいこともあって、又道具の先についてる手の形がちっちょうて かわいいこともあって「マゴ」に「孫」の字があてられるようになりましたんえ。

  • 2001年8月4日掲載

    おしょらいさん(ご先祖の精霊のこと)って知ってる?

    お盆休みが近うなって来ましたが、「お盆」の意味をちゃんと見直してみはりまへんか?

    「盂蘭盆会(うらぼんえ)」というて梵語のウランバーナ(倒懸・逆さ吊り)に由来するそうでお釈迦様の弟子の目連(もくれん)尊者が、餓鬼となった亡母を救う物語が説かれているお経からきているのどすえ。

    お盆がやってくると、お迎え鐘を撞いて槙の葉やほうずきなんかをもろて、お仏壇にお供えします。

    13日になると盆勧進(ぼんかんじん)いうて昔は子供らが町内を廻り米銭を貰い集めてきて、家々のかどで「おがら」を焚きおしょらいさんをお迎えしますんえ。

    おしょらいさんは16日までそれぞれの懐かしい我が家でくつろがはりますお仏壇にお供えするお膳のメニューも生臭さを慎みますさかい、おだしは昆布だけでとり、薄味にして軟らかいものやお酢の物、他におしょらいさんの好物を作らはりました。
    16日になると追い出しの湯がき汁をかどぐちに撒きます。

    たんとたんと楽しんだおしょらいさんは、大文字の送り火でまたお浄土へ お帰りにならはります。
    こないして京の夏は過ぎていきます。

  • 2005年7月7日掲載

    祇園祭

    七月の京都はまるまる祇園祭りの月なんどす。
    1日の「吉符(きっぷ)入り」から31日の「夏越(なごし)祓い」までの神事をいいます。もちろん「宵山」や「山鉾巡行」がメインのお祭りなんやけど。
    古く平安京に疫病が流行り、その退散祈願の御霊会がちゃんとした始まりなんどす。

    今年は3日に船鉾の町会所での「神面改め」では雅子様の出産御無事を願う祈祷もありましたんえ。船鉾には江戸時代の腹帯がが残り、桃園天皇の皇子誕生以来、天皇家の出産時に持ち込まれお守りにされたんやて。ご出産も、お祭りも無事迎えられそうやおへんか。

    「宵山」にはきれいなべべを着て、ぎょうさんの美人でいっぱいのところに必ずといっていいほど、夕立があります。梅雨明けということですやろか。
    夏にもいいもんが、ようけあります。

    まず、「鱧料理」、特に鱧の落し。祇園祭りの別名を鱧祭りというほど鱧がないとあきまへん。
    丸くて大きい「賀茂茄子」の田楽もおいしおす。
    鴨川には、納涼床(川床)がでるし貴船まで足をのばすと鮎料理の川床も。
    食べもんばっかりやわ・・・

    京都の夏は暑おすけど、ほんまにええとこ。
    一度といわず、せんぐりおこしやす。

  • 2001年6月8日掲載

    吾唯足知(われただたるをしる)

    皆さんは、寺院の庭や茶席で、○(まる)の中に□(しかく)がある古銭の形をした「つくばい」(石の手洗い鉢)があるのを知っといやすか?
    □の上に五を入れると「吾」(われ)、以下時計回りに、ある字を入れていくと、【吾 唯 足 知】(われ、ただ、たるをしる)という言葉になり、まさに『清貧のすすめ』ですやろか。
    経典にも、「わずらいなきは第一の利、足るを知ることは第一の富」とあります。

    足ることを知る者は、いささかも不平不満の心が起きませんから、心に落ちつきがあり、さらに不安がないのです。
    それにしても、足ることを知る小欲の心の形を、古銭の形に現すなんてとても洒落ているやおへんか。

  • 2001年5月18日掲載

    三級(さんきゅう)浪(なみ)高うして魚、龍と化す

    中国四千年の昔、黄河の氾濫をしずめるため、皇帝の命を受けた父の遺志を継いでその子が、上流の竜門山に三段の滝(ダム)を完成させはった。

    それ以来氾濫がなくなりその滝のことを「竜門の滝」と呼ばはるようになった。
    そして、毎年春になると、魚たちが黄河をさかのぼりこの滝を登ろうと競争。中でも、鯉だけがものすごい勢いで登り雷で尾を焼き、頭に角をはやし、雲を起こし雨を呼んで龍となって天に昇っていくというもの。

    この話から精進努力すれば必ず立派な人物になれるという意で端午の節句とか、出世祝、栄転祝などの席によう用いられる言葉なんやって。
    ここから立身出世の関門を「登竜門」というようになったそうえ。

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